2014年11月28日金曜日

天寿

病院勤めのため、患者さんの臨終に立ち会う機会が多く、よくご高齢で亡くなられた方に「天寿を全うした」と言ってお別れする場面に遭遇します。
ところで「天寿」の意味をご存知ですか。「天から授けられた寿命」という意味で、本当は「天寿を全うした」年齢も人それぞれということになりますよね。実際、よっちゃんの母親は50歳代で亡くなり、その際に誰ひとり「天寿を全うした」と言いませんでした。また父親は「男やもめに蛆がわく」、一般的には短命になると言われていますが、それに反して80歳代まで生き「天寿を全う」しました。この事実からして「天寿」は、生まれた時から決まっているのではないかと、思われます。そこで、よっちゃん自身の「天寿」について考えてみると、自分としては「母親似」と思っているので「天寿」は50歳代かな?と考えました。しかし、スタッフからは「父親にそっくり」(父親のことしか知らないから仕方ないかな)と言われ、しかも「憎まれっ子世にはばかる」ということで、80歳代まで生きると考えられていますが、実際のところ「天寿」は知らされていません。
このように「天寿」というのは人それぞれで、誰ひとり知らされていないので、突然訪れます。 しかも道半ば、母親のような50歳代の「天寿」は、より一層つらいものです。また、よっちゃんは「憎まれっ子」のため「地獄」行きであり、「あの世で待っていてね」とも言えません。本当に永遠のお別れです。ありがとうそしてさようなら、Kさん。

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